若者の選挙権、政治での効果検証の必要性、日本の経済。作家のヨシタケシンスケ先生、又吉直樹先生、ブレイディみかこ先生特集
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雑学…勉強・教育053。
インタビュー。成田悠輔(ゆうすけ)先生。
成田悠輔(ゆうすけ)先生。
東京大学経済学部卒業後、マサチューセッツ工科大学の博士号を習得。30歳で名門イエール大学の助教授就任。
本「22世紀の民主主義」。 www.amazon.co.jp/dp/4815615608
データに基づく日本への警鐘。
●若者が選挙に行っても、ほとんど意味がない。
投票率52%。10代は34.49%。
日本の人口比率。
20代以下は26%。30代から50代は39%。60代以上は35%。
18から30歳までの人口は、1500万人。60歳以上の人口は、4300万人。
60歳以上の半数が投票すると2150万票。18から30歳までの人全員が投票したとしても、1500万票。選挙結果からでは、日本を変えられない。政治家にプレッシャーを与えられない。
●選挙のあり方を考えてみる。
選挙権や被選挙権に定年とか、年齢条件を求めるのはどうだろう。
ブラジルでは、18から70歳までは投票が義務。投票しないと罰則。71歳以上の投票は、任意。
日本の選挙区の考え方に工夫するのも良い。今は、1人1票。
これからの人生の長さで考えると、若者の票の重みが重くなるような仕組みを考えるのも良い。
日本国憲法で、1945年に20歳以上のすべての国民が選挙権を有するようになった。
当時に比べると人口も人口比率も社会のあり方も何もかも違う。
現代社会に合うシステムを、検討すべきなのではと思う。
本のリンクは、概要欄に貼り付けておきますね。
2022年8月14日”日曜の初耳学”より。
●働き方。労働生産性。
2020年、主要7カ国の1時間あたりの労働生産性ランキング。
第1位、アメリカ。第2位、フランス。第3位、ドイツ。第4位、イギリス。第5位、イタリア。第6位、カナダ。第7位、日本。日本は最下位。
別の統計グラフより。日本の一人当たりの労働生産性は、アメリカの6割しかない。
働き方をどう変えるのか。
労働時間に見合う成果。
試行錯誤のうちの1つに、週休3日制度の導入がある。
アイスランド、スペイン、ニュージーランドなどで導入してみてどうなったかのデータがある。
アイスランドでの実験例。
週5日40時間の仕事を週4日35時間にしても、総生産量は変わらなかった。
集中力が高まり、作業効率アップ、チームワークが上昇した。
週休3日制を日本企業でも導入。成果は変わらなかった。
時間が短くなったため、コミニケーションして分担しないといけなくなる。コミュニケーションの中身や質が向上する。
チームでだらだらやっていて、効率悪くて逃げていた人たちも、限られた時間ならと、一緒に仕事をという効果もあるかも知れない。
2022年8月14日”日曜の初耳学”より。
●政治での効果検証の必要性。
国などで実験的な取り組みをした場合、最も大事な事は、どんな効果があったか、実際に調べてみること。日本は実証実験はよくやるが、効果検証につながっていない。
例えば、コロナ禍の補助金。
いろいろなコロナ政策で、大量のお金が使われた。何にどのぐらい効いたのか?厳密に検証する事はしていない。
厚生労働省より数兆円のコロナ病床を作るためのお金。
コロナ病床を増やす、コロナ患者に対応など、良い影響を与えたのか?検証したいが、日本ではデータがなかった。
アメリカでのデータでやってみた。
アメリカでは、ほぼ意味がなかったらしい。
病院の銀行口座は潤うが、「コロナ病床を作る」や「コロナ患者の治療」にほぼ全く使われていなかったらしい。
●効果検証システム。
国と霞ヶ関の官庁の中に、効果検証をできる人材や余力がないのが大きな問題。
アメリカでは政策決定に必須。
博士号を持つ研究者が、フルタイムで常に検証している。大統領に常に情報提供されている。
2022年8月14日”日曜の初耳学”より。
●日本の経済。
最近の物価上昇。30年間賃金上昇なし。値上げ、18,000品目超える。
将来的に日本人がお金に困る、もう困り始めている。
日本の人口に占める65歳以上の高齢者は29.1%。
国全体としてのGDPは、良くて横ばい。落ちていくのは避けられない。
アメリカや中国やインド。
巨大なイノベーションに成功する国が出てくる。
日本もかつては世界を席巻(せっけん)した良い時代があった。
自然な世代交代、新陳代謝の一部。成熟して豊かになっても、日本は引退直前の老いた国。
人口減少、高齢化の中でも、経済的豊かさを伸ばす国もある。
ドイツや韓国などの一人当たりのGDPは、右肩上がりの成長。
2022年8月14日”日曜の初耳学”より。
●日本経済が現状を抜け出すプラン。
過去にとらわれすぎている。日本は地道にやれることをやるしかない。
新しいことを始める企業の邪魔な規制を取り除く。時代を見極め地道でも世の中のシステムを変える。こういうことを積み重ねるしかない。
●お金が何を意味するか多様な時代になってきている。
昭和っぽいお金の考え方は、時代遅れ。札束のお金や高い時計や車や良い家など。
最近は重要視しない若者が増えている。
価値の測り方が、お金だけでなく、別の方向にも向いている。
SNSでのフォロワー数が、お金と同じ位の価値を持つようになってきている。
こういうことがもっと進んでいくのではと思う。
2022年8月14日”日曜の初耳学”より。
ベストセラー作家のヨシタケシンスケ先生、又吉直樹先生、ブレイディみかこ先生特集
ベストセラー作家で絵本作家のヨシタケシンスケ先生。
累計発行部数600万部以上。
人気の秘密は、子供だけでなく大人も楽しめる。
2013年デビュー作。「りんごかもしれない」。 www.amazon.co.jp/dp/4893095625
作品作りでは、自分が嫌な要素は入れないことを意識している。
子供の頃の自分を読者として想定している。子供ががっかりしないような絵本作り。
子供の頃、「何になりたい?」と聞かれても答えられなかった。自分の夢がないことにコンプレックスを感じていた。大人になってみると、「何になりたい?」と聞かれても、考えてない子も多いよねと気付く。
「りんごかもしれない」は、好きだった要素だけを入れた。
2019年。「つまんないつまんない」。 www.amazon.co.jp/dp/459276210X
つまんないってなんだろう。大人も考えさせられる。
アイディアを書き込む手帳は、常に持ち歩いている。
作品を作ったり、絵を描く時は、誰かの影響を受けたくないので、人のものを見ないように、
インターネットで検索したりなどしない。
書斎のような部屋で作業。本を買うのが好き。先生にとっての良い絵本とは、子供がキョトンとしてしまう内容の本。
絵本を読み終わったときに、ちょっとわからない謎が残る本が、良い本なのかなぁと思っている。
全部わかるとそれっきり。自分が小さい時好きだった本は、謎が残る本だった。
本のリンクは、説明欄に貼り付けておきますね。
2022年8月20日”世界一受けたい授業”より。
画像”かわいいフリー素材集いらすとや”より。
又吉直樹先生。
「火花」が330万部突破。 www.amazon.co.jp/dp/4163902309
ヨシタケシンスケ先生とコラボした本。「その本は」は、22万部の売り上げ。
又吉先生が選ぶ、大人もグっとくる絵本作家ヨシタケシンスケ先生の絵本。
① 2019年。「ころべばいいのに」。 www.amazon.co.jp/dp/4893096605
嫌いな人がいる。その人は、悪魔に操られているのでは?
自分は面白いことをたくさん考える。人間関係に悩む、大人にも読んでもらいたい。
ヨシタケ先生は、どうしても嫌いな人が3人いる。どうにかこうにかやっていくしかないと思う。誰かにそう教えて欲しかった。憎しみで困っている人が、楽になったらいいなと絵本にした。
②2022年発表。「かみはこんなにくちゃくちゃだけど」。 www.amazon.co.jp/dp/4592763009
左のページ、やりたいことやポジティブな気持ちを提示した後、右のページで、まだそこには及ばない現状が明かされる。
読むときに読者が、右から読んでいくのか、左から読んでいくのかによって印象が変わる本。両開きで1つのストーリー。希望を持つのは自由。
ヨシタケ先生は、本の仕組みを利用して考えました。
エピソード。●左のページ、にわにツリーハウスをつくりたいの。右のページ、きはまだこんなにちさいけれど。
●左のページ、ミカンのいろがすごくきれいで、なんだかすくわれたの。右のページ、にがてなひとは、やっぱりにがてだったけど。
先生が落ち込んでいた時、隣のおばさんのカバンの中の果物がとってもきれいだった。気持ちが楽になった。思ってもみなかったことで、別の感情、感覚になれる。体験談として入れたお話。
2022年8月20日”世界一受けたい授業”より。
③ 2016年発表。「このあとどうしちゃおう」。 www.amazon.co.jp/dp/4893096176
人の死がテーマ。おじいちゃんが亡くなった男の子。おじいちゃんの部屋で「このあとどうしちゃおう」と書かれたノートを見つけた。
生まれ変わったらなりたいもの。みんなに作って欲しい記念品。天国ってきっとこんなところ。などが、描かれている。
そのノートを見て、おじいちゃんは幸せだったと思った男の子ですが、「でもちょっと待ってよ」と思った。
もしかしたら逆だったのかもしれない。すごく寂しくて、すごく死ぬのが怖かったのかもしれない。
死を恐れてこのノートを書いたのかもと考える。
男の子は「しんだらどうしたいか」ノートに書き始める。あることに気づかされる。自分が死んじゃった後のことを考えようとすると、今、生きているうちにやりたいことがいっぱいあることに気がついた。
「いきているあいだは、どうしちゃおう」ノートがあってもいいかななんて思った。男の子は死を考えることと同時に生きることの喜びに気づいたのです。恐怖、寂しさを想像力で乗り越えていくお手本。
先生は両親を早くに亡くした。死についての話をしていなかった。
今日元気だから、明日元気とは限らない。笑える、話すきっかけになる死の本を作りたかった。
2022年8月20日”世界一受けたい授業”より。
ヨシタケ先生と又吉先生のコラボ本「その本は」。
www.amazon.co.jp/dp/4591174328
あらすじ。
目が見えない王様が、お城に2人の男を呼び、「世界中をまわって、『めずらしい本』について知っている者を探し出し、その本の話を私に教えて欲しいのだ」と頼んだ。
1年間世界中を旅した男2人が、もう起き上がることができなくなった王様に、「その本は…」と聞いてきた本の話を語る。
ヨシタケ先生の作品、又吉先生の作品が交互に続く。52 話。又吉先生の作品には挿絵がない。
本のリンクは、説明欄に貼り付けておきますね。
2022年8月20日”世界一受けたい授業”より。
ベストセラー作家のブレイディみかこ先生。
「僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー」。www.amazon.co.jp/dp/4103526815
「僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー2」。www.amazon.co.jp/dp/4103526823
累計発行部数100万部突破。
イギリスの港町ブライトン。日本人作家ブレイディみかこ先生とアイルランド人の夫と息子が直面した事件の数々。
人種差別、貧困問題、性の問題。
息子の成長と現代社会の問題を描いた実話。
この本を読んだ息子は、「これは幸せな少年の話だよね。貧しさや家庭の事情から、クラブ活動すらできない子もいる。そこが書かれていないよね」と。
ブレイディみかこ先生は、リアルな子供たちの日常は、あまりにもハードすぎて、ノンフィクションで書けなかった。
(書籍の表紙は、アマゾンの販売サイトより引用させていただきました )
2022年8月20日”世界一受けたい授業”より。
小説「両手にトカレフ」。 www.amazon.co.jp/dp/4591173992
現代社会に潜む子供の貧困問題を書いた。
あらすじ。
主人公は14歳の少女ミア。8歳の弟チャーリーとシングルマザーの3人暮らし。
アルコール依存症で家事もやらない母親。ミアは、家事を積極的に行う真面目な女の子。
ミアが食事の支度をしていた。家にある食べ物が底をついた。生活保護のお金が入るまであと2日。育ち盛りの弟に満足にご飯を食べさせられない。
ミアの翌日の学校でのお昼ご飯の時のこと、学校の売店で万引きをしてしまう。
●イギリスの貧困。
約6人に1人が、年収約270万円以下の低所得者。ひとり親の家庭に住む子供の49%が貧困に陥っている。
●日本の貧困率。
主要7カ国の中で、ワースト2位。
アメリカ、日本、イタリア、イギリス、カナダ、ドイツ、フランスの順番。
日本では、子供の7人に1人が貧困と言われている。
●貧困の定義。
国ごとに定められた貧困線を下回る所得の家庭。
日本。3人世帯では、約215万円未満(月17万円未満)。4人世帯では、約248万円未満(月20万円未満)。
イギリス、日本、貧困線を下回る家庭が増えている。
本のリンクは、説明欄に貼り付けておきますね。
2022年8月20日”世界一受けたい授業”より。
ブレイディ先生は、貧困問題で、似た経験がある。
高校時代、学校に内緒で、アルバイトをしていた。学校に知れてしまい、「定期券を買うためにアルバイトをしていたんです」と言うと、先生に、「そんな家庭が今どきの日本にあるわけない」と言われた。
目の前にいるのにいない存在。いちゃいけない存在。衝撃を受けた。
1冊目の本で、子供の貧困についてあまり触れなかったのは、私自身があの時の先生のように存在を消してしまっているのではと思った。
●イギリスの学校にある無料給食制度の「フリーミール」。
失業保険や生活保護など、貧しい家庭の子供が、学食で好きな食べ物や飲み物を無料で受け取ることができる。
限度額があり、1ヵ月約7840円分。1日あたり約392円ほど。
ホットドッグとサラダで約360円。水を買ったらオーバーしてしまう。限度額を超えると昼食を食べられない。そのため万引きをしてしまう生徒もいる。
2022年8月20日”世界一受けたい授業”より。
小説「両手にトカレフ」の続き。
あらすじ。
ミアは万引きをしてしまった。友達のイーヴィに見られた。
次の日学校へ行くと、机の上にメモが置かれていた。スーパーの袋が後ろに置いてあり、「必要なかったらそのまま置いといて」と書かれていた。食パンといくつかの缶詰が入っていた。
イーヴィの母親からのメッセージカードには、「カウリーズ・カフェにいらっしゃい」と書かれていた。
●「カウリーズ・カフェ」とは、少ないお金でお腹いっぱい食べられる場所。
コミュニティーカフェとも呼ばれる。ブライトンの街に3から4軒ある。
「ブレックファスト・クラブ」と言うのもある。貧しい子供たちに学校などで無料で朝食を食べさせてくれる場所。
●日本も深刻化している。
日本の17歳以下の子供も約7人に1人が貧困と言われている。
日本国内の様々な支援。
認定NPO法人フードバンク山梨。
食品会社や家庭から寄付されたものを、食べ物に困っている家庭に支援する団体。
フードバンク山梨の利用者数の推移。
2018年、3988件。2021年、1万237件。2.6倍に増加。
2022年8月20日”世界一受けたい授業”より。
子供の教育格差の問題。
貧困で教育が不十分。
進学・就職に不利。仕事の収入が低い。その子供も同じように貧困の連鎖をしていく。
●かわさき芽吹(めぶき)塾。
会場費、教材費が一切かからない学習支援を行う。完全無料塾も増えている。
●イギリスでの無料塾。
放課後の図書館の1室などで、ボランティアが集まって、貧困家庭の子供たちの宿題を見ていたりする。
2022年8月20日”世界一受けたい授業”より。
貧困が子供に与える影響。
小説「両手にトカレフ」の続きより。
クラスメイトのウィルが、ミアに話しかけたが、ミアは急いで帰る。毎日、弟の迎えに弟の学校へ行っている。アルコール依存症の母親に変わり、家事や家族の世話など全て1人でやっていた。クラブ活動はできない。
ミアの母親のところには、ソーシャルワーカーが来る日がある。
「ソーシャルワーカー」とは、病気や障害などで生活に問題を抱える人に対して、社会福祉支援を行う人の事。
ぼんやりした母、自分のことを自分でできない母親。
ミアは、母に「自分の事は自分で守って。私にはあなたの事まで守りきれない。」と言う。
ミアのような子供たちのことを「ヤングケアラー」と言う。
●「ヤングケアラー」とは、大人が担う(になう)と想定される家事や家族の世話などを日常的に行っている18歳未満の子供のこと。
ヤングケアラーを、支援するため、イギリスで最も有名なのが、毎年夏に開催されている、「ヤングケアラーズフェスティバル」。
家族のケアが中心のヤングケアラーたちが、このイベントの時は、家族のケアを忘れ、無料で遊園地などを楽しめる。
自分と同じ境遇の人と交流を持つことで、自分は1人ではないと確かめることができるのです。
2022年8月20日”世界一受けたい授業”より。
「ヤングケアラー」。日本も深刻。
2021年、ヤングケアラーの実態に関する調査研究。
中学生、高校生の約20人に1人が、ヤングケアラーだと言われている。
●約1年前に発足した「ヤングケアラー協会」。
ヤングケアラーの子供たちのサポート。
元ヤングケアラーを含むオンラインコミュニティーの参加人数は約300人。
●家の中の大人の数が減っている。大人がケガや病気、障害を抱えると子供が面倒を見なくてはいけない。
平均世帯人数。1913年、5人。2019年、2.39人。
●イギリスでは、30年前から「ヤングケアラー」が周知されている。
日本では最近ようやくメディアで言われ始めた言葉。
子供は、家族だから当たり前と思っている。「ヤングケアラー」の自覚がない。
ブレイディ先生は、貧困がなくなるためには、大人の意識を変えないといけないのではと思う。
2022年8月20日”世界一受けたい授業”より。
(雑学の日付や番組名、内容の間違いや誤解釈などありましたら、ご指摘いただけたらと思います。ブログに貼り付けています画像は、『たっぷり素材 PIXTA』『素材辞典』と『筆まめ』『筆ぐるめ』の素材です。他者さまの画像引用の場合は、明記いたします)